「世界遺産・熊野古道」は紀伊山地の霊場(高野山、吉野・大峯、熊野三山)を結ぶ参詣道で三重・和歌山・奈良の三県にまたがっている。中でも和歌山県にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3社と那智山青岸渡寺の1寺)を結ぶ中辺路はもっとも人気の高い参詣道になっている。
約1200年前、弘法大師・空海が修行場として開山した「高野山」。日本仏教の聖地として、身分や宗派を越え多くの観光客がこの地を訪れており、世界遺産にも登録されている。「奥之院」には、太閤秀吉から太平洋戦争の英霊まで、さまざまな人々のお墓が立ち並び、高野山の奥深さを感じさせる。
有馬・道後とともに「日本三古湯」のひとつとして数えられている「南紀白浜温泉」。外湯めぐりができる共同浴場が六ヶ所あり、雄大な太平洋が間近にせまる露天風呂「崎の湯」や日本書紀や万葉集にも登場した歴史ある名湯「牟婁(むろ)の湯」などが楽しめる。近くには人気の「白良浜」や「白浜アドベンチャーワールド」などがある。
「華厳の滝」と「袋田の滝」とともに日本三名瀑に数えられている「那智滝」。熊野那智大社の別宮で滝そのものが飛瀧神社のご神体になっている。落差133m、滝壺の深さは10mの落差日本一の名瀑で、熊野の山塊、その奥方より流れ落ちる姿は圧巻で、大晦日にはライトアップも行われている。
開湯は1800年、日本最古の湯として愛される湯の峰温泉。今も昔ながらの温泉情緒を残し、湯の町の風情を感じる事が出来る。かつては熊野詣の途中、湯の峰で湯垢離を行い、聖地での禊ぎと旅の疲れを癒してきた。日によって七回も湯の色が変化するといわれている天然温泉の岩風呂「つぼ湯」は参詣道の一部として世界遺産に登録されている。
築城の名人藤堂高虎が作り上げ、徳川御三家のひとつとして長い歴史を刻んでき和歌山城。虎伏山(とらふせやま)の上に建てられ白壁の天守閣の美しさから、別名「白亜(はくあ)城」、山の名前を取って「虎伏城」などとも呼ばれている。石垣には紀州特産の青石が多く使われており、時代によって異なる石垣の積み方が見られる。
弘法大師が開湯されたと伝えられる古湯「龍神温泉」。群馬県の川中温泉、島根県の湯の川温泉とともに「日本三美人湯」としても有名。泉質はナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)で肌あたりも良い柔らかな湯が特徴で、肌がしっとりした感じになる。静かな山間の温泉地で秘湯感もたっぷりと味わえる。
ご当地ラーメンの火付け役となった「和歌山のラーメン」はスープの特徴から2種類ある。一つは、屋台を発祥とする「醤油系」で丸を屋号に掲げているお店が多い。「○京」や「丸高」がこれにあたる。二つ目は「豚骨醤油系」で全国で「和歌山ラーメン」といえば、こちらの味を指す。その代表店が「井出商店」で全国的にも有名になっている。
「たま駅長」ですっかり有名になった和歌山電鉄貴志川線。現在「たま駅長」は二代目の「ニタマ」に受け継がれているが、名物は駅長だけではない。「おもでん」と呼ばれる車内でガチャガチャのおもちゃが楽しめる「おもちゃ電車」が人気を博している。
大阪湾に近い紀伊水道に浮かぶ無人島で、戦時中に使われていた日本軍の砲台がたくさん残されている。レンガ造りの建物に草木が生い茂る風景は、廃墟ながも幻想的。その様子はまるで「天空の城ラピュタ」の世界そのものだと話題を集め、近年は多くの観光客が訪れている。