2018年7月「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に認定された。大浦天主堂などはこれまでも観光地として人気があったが、このことで構成要素となるいくつもの教会と周囲の集落、遺跡が注目を集めている。歴史が育んだ異国情緒あふれる長崎の魅力が今、世界に発信されている。
中世ヨーロッパの街並みを再現した日本最大規模のテーマパーク「ハウステンボス」広大な園内には年間を通して様々な花が植えられ、観光客の目を楽しませてくれる。夜はイルミネーションによって光の王国へと変化し、城や町並み、花畑、運河などが美しくライトアップされる。レストランや宿泊施設も充実している。
長崎を代表する観光名所「グラバー園」、その目玉は園名にもなっている美しき洋館「旧グラバー住宅」だ。現存する日本最古の木造洋風住宅として、世界遺産にも登録されている。園内には、旧リンガー住宅、旧オルト住宅などもあり、異国情緒にあふれ、長崎のシンボルになっている。
トルコライスや佐世保バーガーなど数ある長崎名物の中で最も有名なのが「ちゃんぽん」であろう。長崎ちゃんぽんは、野菜や魚介などの食材を炒め、鶏ガラと豚骨ベースのスープで味を調えたところに、特製の太麺を入れた麺料理。その発祥は市内の中華料理店「四海楼」の初代店主の考案と言われている。
2012年に香港・モナコに並び「世界新三大夜景都市」に認定された長崎市。高台には街並みを見下ろせる夜景スポットが数多く点在している。中でも「1,000万ドルの夜景」と謳われる稲佐山展望台は観光客や修学旅行生などでいつも賑わっている。晴れた日には雲仙や天草、五島列島まで見渡せる。
長崎は原爆が落とされた悲劇の歴史を持つ街としても知られている。原爆の爆心地周辺に広がる「平和公園」には平和への強い願いが込められている。近くには「長崎原爆資料館」等もあり、展示を通して原爆の歴史を学ぶこともできる。長崎を観光するなら、是非とも足を運んでおきたい場所だ。
1934年に日本で最初の国立公園に認定された「雲仙」、明治・大正時代には外国人の避暑地としてにぎわった。雲仙温泉の歴史は古いが、緑に囲まれた温泉街はどこか高級避暑地のような趣がある。観光の中心は白煙立ち上る「雲仙地獄」、かつてキリシタン殉教の舞台となった歴史を持つ場所だ。
2015年に世界遺産に登録された軍艦島、その正式名称は「端島」。かつての炭鉱開発に伴い、最盛期には5000人以上が島で暮らすほどに栄えていた。現在は観光用の見学ルートが整備され、軍艦島に残る、日本で最初の高層鉄筋アパートや炭鉱施設などを見られる上陸ツアーや周遊クルーズが人気だ。
今も江戸の街並みが残る城下町「島原」、町の中心には白亜の天守が美しい名城「島原城」がそびえる。町は地下水による湧水にも恵まれ「水の都」とも呼ばれている。湧水を利用した名所も数多くあり、町には「湧水めぐりマップ」まで用意されている。湧水を利用した甘味「寒ざらし」はこの地ならではの銘菓である。
キリスト教や鉄砲とともにポルトガルから伝わった「カステラ」、今も長崎の定番土産として不動の地位にある。長崎県内にはカステラを製造するお店が百数十店舗あるが、有名老舗店としては寛永元(1624)創業の「福砂屋」や天和元(1681)年創業の「松翁軒」など、どちらも昔ながらの製法を守っている。