奈良県の世界遺産で象徴でもある東大寺(奈良の大仏)。そして東大寺に続くシカで有名な「奈良公園」と背後に広がる「若草山」。誰もが修学旅行などで一度は訪れたことがある日本を代表する観光スポットだ。東大寺以外にも奈良には春日大社や唐招提寺、薬師寺など「古都奈良の文化遺産」として8件の世界遺産がある。
世界最古の木造建築で日本初の世界遺産「法隆寺」。聖徳太子が活躍した飛鳥時代の国宝を数多く所有する寺で、40近くの国宝と100を越える重要文化財がある。最古の飛鳥建築の建物「金堂」や「五重塔」仏教美術の最高峰「百済観音像」など、東大寺と並び奈良県が世界に誇る文化遺産である。
古墳や謎の巨石遺跡などが点在する明日香村は古代史ファンの聖地となっている。その中心は蘇我馬子の墓とも伝えられ、日本でも最大級という横穴式石室をもつ「石舞台古墳」と極彩色の「女子群像」の壁画で有名な「高松塚古墳」になる。明日香村の長閑な風景の中を古代ロマンを求めてサイクリングで訪ねる旅人が増えている。
古来より日本随一の桜の名所として知られてきた「吉野山」。4月初旬から末にかけて、山麓の下千本から中千本、上千本、山頂の奥千本へと順に、山全体を埋め尽くしてゆく。多くの桜が“一目に千本見える豪華さ”という意味で「一目千本」と讃えられた。千本桜を遠くから眺めた時の見事さは圧巻、世界遺産にもなっている。
「ならまち」は世界遺産である元興寺の旧境内を中心とするエリアで元興寺をはじめ、「庚申さん」や「奈良町の町家」など、風情ある町並みの散策が観光の定番。老舗の和菓子屋や食事処の他、新しい店が次々にオープンし、古都奈良のホットスポットになっている。
奈良が発祥の伝統食品「奈良漬け」、奈良土産の定番でもある。「奈良漬け」は酒粕を使い、夏の野菜を漬けるお漬物のことで、夏野菜を一年中美味しく食べられるようにと工夫されたもの。1300年の歴史を持ち、東大寺などを参拝する人の土産物として奈良を訪れた旅人により全国に広まっていった。
紀伊半島の南東、吉野熊野国立公園に属する日本百名山「大台ヶ原」最高峰を「日出ヶ岳」とする台地状の山岳地帯は、日本有数の多雨地帯にで、周囲は豪雨に削られた『嵓(くら)』と呼ばれる切り立った断崖や深い谷に囲まれている。初心者向けの登山ルートもあり、絶景を求めて多くの登山者が訪れている。
奈良を代表する郷土料理のひとつ「柿の葉寿司」。一口大の酢飯にさばや鮭、小鯛などの切り身をのせ、防腐効果の高い柿の葉で包んで押しをかけもので、江戸時代、魚と米が貴重な当時の吉野川流域で特別な料理として、お祭りやお祝い事の際にふるまわれた。今では駅の売店でも買えるようになった。
奈良県の最南端、深い山間にある日本最大の村「秘境・十津川村」。世界遺産熊野参詣道が、十津川村を真っ直ぐに縦断することから熊野古道の里としても知られている。人気の観光スポットはスリル満点の「谷瀬の吊り橋」。源泉かけ流しの温泉もあり、豊かな自然を満喫できる。
奈良県を訪れる女子旅で人気を呼んでいるのが「室生寺」と「長谷寺」、共に「花の寺」として知られている。大和屈指の名刹「室生寺」は見事なシャクナゲが3000本も植えられている。日本最大級の木造仏「本尊・十一面観世音菩薩立像」をもつ「長谷寺」は桜も有名だが「牡丹」の名所でもあり、なんと150種・7000株の牡丹が見られる。